自分の体なら知っておきたい腸内フローラと腸の働き
あなたは自分の腸がどのような働きをしているのか知っていますか?腸が司っている機能が単に消化・排泄だけではないということを知っていますか?
腸の働きを知り、腸内環境を改善することができれば、言葉通り、自分を内側から変えることが可能になります。肌荒れや肥満などの改善をすることができるだけでなく、鬱の改善や緊張しがちな性格を改善することもできるとさえ言われています。
今回は、意外と知られていない腸の働きを説明します。
腸ってどんな器官なの?
腸は消化管の中で、排便の前にある器官です。ここでは、食物の分解吸収や水分の吸収を行っています。
腸の構造ってどうなっているの?
腸は大きく分けて小腸と大腸があります。胃を出た食物は小腸を通過し、大腸を通って肛門へと到達するのです。
上の写真では大腸が大きなワの字型にあり、その中でとぐろを巻いているようにあるのが小腸です。
小腸の働き
小腸は大きく分けて三つに分類されます。十二指腸・空腸・回腸です。小腸では消化吸収を行います。
十二指腸
食物として吸収され胃を通過したものは十二指腸に到達します。十二指腸では消化吸収が進められると同時に、脂肪の消化物によって胆汁が分泌されるように働きかけます。
回腸と空腸
回腸と空腸はほとんど明確な区別がありませんが、この二つでは十二指腸を通過した食物からさらに吸収を行います。特に回腸は、体内で唯一ビタミンB1B2の吸収を行うところです。そのため手術をして除去してしまったり、回腸の働きが不十分だとビタミンB1B2の吸収に障害が出ます。
大腸の働き
大腸の働きは主に水分の吸収と便の形成です。便の形成については、腸の蠕動(ぜんどう)運動と逆蠕動をしながら水分と電解質を吸収していき、便の硬さへとなっていきます。
腸には小腸と大腸があり、小腸は主に栄養吸収を、大腸は主に水分吸収と便形成をしているというのが腸の機能です。
第二の脳とも呼ばれる腸
消化吸収をし便の形成をする腸ですが、それだけが腸のすごさではありません。
腸は第二の脳とも呼ばれ、15億の神経細胞のある脳の次に神経細胞を多く持っています。その数はなんと1億個です。それだけの神経細胞を司る腸には、様々な働きをします。
唯一脳がなくても働ける腸という内臓
腸は、脳からのシグナルがなくても唯一消化などの機能を果たすことが可能です。他の内臓器官とは異なっているのです。
人間の心臓ですらその拍動は脳の指示のもと動いていますが、腸は脳の指示なしにも動くことのできる優れた内臓器官です。
腸は知れば知るほどものすごい内臓
腸は内臓の中でも随一の能力を持ちます。先ほど述べたように腸には食道から肛門までの9mに1億個もの神経細胞があるとお話しました。
腸は神経細胞がとても多くあるだけでなく、免疫の6割が腸内に宿るほど、腸は免疫に対して大きな効果を持っています。
腸には味覚がある?
最新の研究で、腸には味覚があるのではないかということがわかってきました。このことは、腸が脳へ信号を送っているということと合わせて、食べ物が人の気分に影響を与えるということの研究や、糖尿病の対策などに役立てられています。
腸には満腹中枢もある?
味覚が発見されてきている腸ですが、満腹中枢もあるのではないかと言われています。これを応用して、肥満を解消することができるのではないかと研究が進められています。
また、腸内細菌の中にはデブ菌、と呼ばれるものがあり、これを減らすことが肥満体質の改善に役立つということがわかっています。
腸内環境を改善することで肥満を解消したい方には、 無意味なダイエットしてない?肥満は腸内フローラで解消できる! をぜひごらんください。
腸内環境で鬱も治せる?
鬱の症状に効くとされるのがセロトニンです。セロトニンは太陽光を浴びるなどすると分泌されます。
このセロトニン、実はその90%が腸からのものなのです。つまり、腸内環境を改善することができれば、鬱の症状を軽くすることもできます。
腸内環境が左右する身体
冒頭でも言いましたが、腸内環境は消化吸収を司るだけでなくその他の様々に身体に影響を与えます。
アガリ症は腸内環境のせい?
セロトニンには緊張を緩和する効果があります。そのため、腸内環境を整えることでセロトニンが分泌されれば、緊張が緩和されてリラックスする効果が期待できます。
腸内環境が悪いと肥満になる?
腸内にはデブ菌というものがあります。デブ菌とは、脂肪を吸収しやすくしてしまう菌のことで、これは腸内環境が悪化していると増えるものです。つまり腸内環境を整えることができれば、太りにくい体質になることができるということです。
腸内環境を整えることで宿便(腸内に残留している便)を排泄することも可能であるので、ダイエットを気にしている人も腸内環境を整えることができれば、痩せやすい体質へと変わっていくことができます。
腸内細菌の状態はパフォーマンスにも影響を与える?
最新の研究で、アスリートの腸内には炎症を抑える菌が多く存在することや、ラグビーの代表の選手は通常の人の二倍の腸内細菌を所持しているということが判明しました。
炎症を抑える菌が多く存在するということは、筋肉が炎症を起こしにくい、つまりは疲れたり怪我をしたりしにくいということです。 つまり腸内環境は運動のパフォーマンスにも関わるものなのです。
腸内環境を整えるには
腸内環境を整えるためには具体的にはどのようなことが重要となってくるのでしょうか。
まず、腸内環境が整っている状態とはどのような状態でしょうか。腸内環境が整っている状態とは、善玉菌と悪玉菌と日和見菌の比が2:1:7の状態のことです。
腸内フローラとはどういうものなのかや、善玉菌や悪玉菌、日和見菌の働きについては以下の記事に詳しく書いてあります。ぜひごらんください。
腸内細菌を増やす
腸内環境を整えるためには、腸内細菌を増やす、正確には、腸内の善玉菌を優勢にすることが重要です。
腸内の善玉菌を増やすためには、善玉菌のエサとなるもの、善玉菌に良い効果をもたらすものを摂取する必要があります。
善玉菌に良いものとは、例えば食物繊維などです。食物繊維は善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを手助けします。
腸にいい食べ物
まとめ
この記事では、実はすごい力を秘めている腸の働きをご紹介しました。腸内フローラを整えることはとても重要です。
自分の腸内フローラが良い状態であるかどうかについては、長寿菌からデブ菌までわかる!?腸内細菌とその検査方法 に詳しく書いてありますので、ぜひご覧ください。