抑えておきたい!便秘を解消する正しい食物繊維の取り方
「便秘を解消するには食物繊維が効果的らしい」
このことは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
しかし、一口に食物繊維といっても、食物繊維の種類によって得られる効果や摂取目安量は異なります。また、間違った食物繊維の取り方によって、かえって便秘が悪化してしまう恐れもあるのです。
では、効果的に便秘を解消するためには、一体どのように食物繊維を取ったらよいのでしょうか。
今回の記事では、食物繊維の種類やそれぞれの効果、バランスの良い食物繊維の取り方についてお話しします。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
食物繊維は、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類に分かれます。文字通り、水溶性食物繊維は水に溶ける種類の食物繊維であり、不溶性食物繊維は水に溶けない種類の食物繊維です。
どちらの食物繊維かによって、得られる効果や代表する食べ物も違ってきます。
では、それぞれの食物繊維の効果や代表的な食べ物を見ていきましょう。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維の効果
1.ダイエット効果
水溶性食物繊維には、炭水化物の消化・吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ効果があります。
また、コレステロールなどの余分な脂質を吸着し、排出してくれます。 このように、体への吸収を抑制する働きがあるので、ダイエット効果が期待できるのです。
2.腸内環境の改善
水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌のえさとなり、善玉菌の増加を助けてくれます。 善玉菌が増えれば、体に悪い影響を及ぼす悪玉菌は減り、腸内フローラのバランスが正常に保たれます。
こうして腸内環境が改善されることで、便秘体質の根本からの改善や免疫力向上など様々な体に嬉しい効果を得られるのです。
善玉菌を増やす食事や、腸内環境を改善して得られる効果については以下の記事に詳しく書きましたので、ぜひ参考にしてみてください。
水溶性食物繊維が多く含まれる食べ物
水溶性食物繊維が多く含まれる食べ物としては、海藻類・果物類・根菜類・イモ類・きのこ類などが挙げられます。
具体的には以下の食品が当てはまります。
- わかめ、昆布
- いちご、ばなな、キンカン、みかん
- ごぼう、にんじん
- 山芋、こんにゃく
- アボカド、オクラ
- 納豆
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維の効果
1.便秘解消
不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収し大きく膨らむため、便を大きく太くする作用があります。 こうして便の量が増えると、腸の運動が刺激され、排便が促進されます。
つまり、不溶性食物繊維は排便をスムーズにして便秘を解消してくれる、ということですね。
2.デトックス効果
不溶性食物繊維には、腸内の悪玉菌が発生させた有害物質をからめとって排除する、という性質もあります。 腸内の有害なものを便と一緒に排出してくれるので、デトックス効果も十分期待できるのです。
デトックス効果については、以下の記事にも詳しく書きましたので参考にしてみてください。
不溶性食物繊維が多く含まれる食べ物
不溶性食物繊維が多く含まれる食べ物としては、穀類・野菜類・豆類・きのこ類などが挙げられます。 イメージとしては、縦にたくさん繊維がある繊維質で、よく噛む必要のある食べ物ですね。
具体的には、以下の食品が当てはまります。
- 玄米・大麦・トウモロコシ
- ブロッコリー・たけのこ・ゴボウ
- エンドウ豆・納豆
- えのき・きくらげ・しいたけ
便秘を解消する効果的な食物繊維の取り方
食物繊維の1日の摂取目安量
18歳以上の1日当たりの食物繊維の摂取目標量は、 女性が17g以上 男性が19g以上 となっています。
現在の日本人の1日の平均的な食物繊維量は14gなので、きちんと意識して摂取しないと達成できない量である、ということですね。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の理想的な摂取バランス
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、バランスよく摂取することが大切です。 両者の理想的な摂取バランスは、
といわれています。
先ほどの1日の食物繊維の摂取目安量と照らし合わせてみますと、
を、1日にそれぞれ摂取することが望ましいということですね。
それぞれの食べ物に何グラム水溶性食物繊維や不溶性食物繊維が含まれているかは、ぜひこちらの食物繊維早見表で確かめてみてください。
→ (参考)食物繊維早見表
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を効率よく摂取するには
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方がバランスよく含まれている食べ物には、
- 納豆
- ゴボウ
- オクラ
などがあります。だからと言って、こればかり摂取すればいいというわけではありませんが、日々の食事に取り入れてみることをおすすめします。
また、いつもの食事に少し食物繊維をプラスするだけで、効率よく水溶性食物繊維や不溶性食物繊維が摂取できます。例えば、
- いつも白米→玄米に変えてみる
- いつも食パン→ライ麦パンや全粒パンに変えてみる
- 普通のレタスサラダ→サラダに海藻や豆類、根菜を取り入れてみる
- いつもの朝ごはん→果物を付けてみる
などは、今日からでも実践しやすいのではないでしょうか。
このように、毎回の食事で少しずつ食物繊維を取り入れることで、効率よく摂取することができます。
食物繊維の取りすぎは危険?
どの食べ物もそうですが、健康に良いからと言って食物繊維をむやみやたらに取りすぎてしまうのは危険です。
便秘を解消しようと、不溶性食物繊維をとりすぎると、便が固くなりすぎてコロコロ便となって排出されてしまったりします。充分な水分とともに摂取するのが大切です。
また、便秘の中でも「痙攣性便秘」の方は特に注意が必要です。痙攣性便秘は、腸のけいれんで働きが活発になりすぎて起こる便秘です。この痙攣性便秘の方が食物繊維を取りすぎると、かえって下痢や便秘を悪化させる恐れがあります。
何事も、バランスが大切です。食物繊維とそのほかの栄養分のバランスや、食物繊維の中でも水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスに気を付けるようにしましょう。
食物繊維が含まれるサプリメントもおすすめ
ここまで水溶性食物繊維や不溶性食物繊維の目標摂取量や効果的な取り方、取りすぎの危険性についてお話ししました。
しかし、これを毎日の食生活で実践していくのは難しそう、、と思われた方も少なくないのではないでしょうか。
実際、この食べ物には水溶性食物繊維が何グラム含まれているからこれぐらい食べよう、などいちいち計算するのはかなり大変そうですよね。忙しい時ならなおさらそんな時間はありません。
食物繊維がきちんと摂取できているか不安だ、というあなたには、食物繊維が含まれるサプリメントがおすすめです。
サプリメントならば、それぞれの食べ物の食物繊維がバランスよく抽出されているので、手軽に効率よく食物繊維を摂取することができます。日々の食事に食物繊維を取り入れつつ、足りない分をサプリメントで補う、というのも効果的でしょう。
また、サプリメントでは食物繊維だけでなく、乳酸菌やオリゴ糖も一緒に配合されているものもあります。乳酸菌やオリゴ糖も、食物繊維と同じように腸内環境を改善して便秘を解消してくれます。
便秘に悩んでいる方は、食物繊維と乳酸菌、オリゴ糖が含まれるサプリメントを試してみるのをおすすめします。
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まとめ
今回の記事では、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の効果や目安摂取量、効果的な摂取方法についてお話ししました。
水溶性食物繊維は腸内で善玉菌のえさとなり、腸内環境を改善します。一方、不溶性食物繊維は便を大きくして排便を促進します。
この両方をバランスよく摂取することで、便秘体質の原因である腸内環境を改善したり、排便の回数が増えたりして、便秘解消の効果が期待できます。